2005年度活動報告

 05年度は7月2日に大平町で第4回総会を開催し、構造改革が一層加速するなかで地域に根ざした研究所活動を一層発展させるため「まちの研究所」の設立を展望しながら活動を進めることを確認しました。 構造改革を推進する小泉内閣が総選挙で圧勝した下で、06年に入ってから、介護保険、医療保険、障害福祉の各分野での相次ぐ制度改革による国民生活破壊や新しい貧困、階層格差が深刻な社会問題となり、耐震偽装事件など市場化・民営化の問題点が露呈するなど構造改革の矛盾が広がってきました。また、「三位一体改革」による自治体財政の一層の圧迫が進むなか、「平成の大合併」により県内の市町村数は49から33となりました。 さらに、地方制度調査会による道州制の方向付け、地方交付税大幅削減の新たな動きなど一層の自治体再編の動きも急ピッチで進んでいます。 こうしたなかで、とちぎ地域・自治研究所は、構造改革に立ち向かう運動、地域・自治体づくりのあり方をめぐる学習・交流事業や小さくても輝くフォーラムへの参加など自立をめざす市町村への支援などを中心に事業を展開してきました。

1 調査・研究事業
(1) 地域、自治に関わる資料やデーターの収集、分析

・  市町村の決算データ―の整理のみに終わりました。
@ 県政研究会 
・ 県の新しい総合計画に関する研究会を開催しました。
A 第2回とちぎ地域・自治体フォーラムの分科会に向けて、 保育・子育て、社保障・高齢者福祉、まちづくり等の研究会を開催しましたが、継続的な研究会の確立には至りませんでした。

2 学習・交流事業

(1)  第2回とちぎ地域・自治体フォーラム
・ 05年10月2日(土)壬生町中央公民館で開催し、基調講演は「三位一体改革とこれからの地方財政・自治制度」をテーマに金澤史男横浜国立大学教授が行い、午後の分科会は 
@ 「介護保険制度の見直しと高齢者福祉」(助言者高橋紘一国際医療福祉大学教授)
A 「安心して子どもを生み育てられる地域社会をめざして」(助言者伊達悦子作新学院短    大教授)
B 「自立をめざす自治体づくり」(助言者太田正作新学院大学教授)
C 「公民協働による地域活性化」(助言者陣内雄次宇都宮大学助教授)
・ 参加者は延べ人数で第1回の80名から50名に減少し、テーマの設定、開催時期など今後の課題となりました。
(2) 第4期とちぎ自治講座  
・ 06年1月から3月にかけて連続3回の講座として開催し、延べ約60名の参加がありました。
・ 第1回「構造改革の現段階と対抗運動の課題」(1月28日)
         講師 後藤道夫氏(都留文科大学教授)
・ 第2回「社会保障『構造改革』と保健・医療・介護」(2月25日)
         講師 篠崎次男氏(日本高齢者運動連絡会事務局長)
・ 第3回「自治体の市場化・民営化と公共性」(3月25日)
         講師  池上洋通氏(自治体問題研究所主任研究員)
(3) 国民保護計画学習会
・  06年6月3日宇都宮市で開催しました。講師は田中隆弁護士、一木明弁護で、35名が参加しました。
(4)「全国小さくても輝く自治体フォーラム」への参加
・  第6回(1月14日〜15日 福島県矢祭町) 栃木県からは議員や自治体職員などの会員に合わせて塩谷町役場の職員も参加し合計で20数名が参加しました。
・  第7回(6月24日〜25日 岐阜県高山)  
(5) 自治体学校への参加   
・05年7月22日〜24日石川県金沢市で開催された第47回自治体学校には8名が参加しました。

3 広報・出版事業、講師派遣事業等  
(1)所報の発行   
・ 毎月発行し、講座の内容等を掲載してきました。  
(2) ホームページ   
・ 1月にデーターの更新を行いましたが、それのみに終わってしまいました。

4 「まちの研究所」づくり   
・ 06年5月13日、14日に東京国分寺市東京農工大学で東京多摩研究所等との共同事業として「『まち研』をつくる」をテーマに「関東地域・自治体研究所学習交流集会」が開催され、「まち研」の意義や実践例等を学び・交流しました。会員9名参加。

5 組織体制の確立  
(1) 理事会   
・概ね4か月に1回の割合で3回開催し、事業の基本的な方向を協議し、決定しました。
(2) 事務局体制の整備   
・ 月1回事務局会議を開催しました。
・ 新たに事務局長、次長会議を開催しました。  
(3) 会員
・会員数150名を目標に会員の拡大に取り組みましたが、現在、会員数119名(全国研会員80名、その他39名)、他に「住民と自治」の読者8名で、会員の入れ替わりがありましたが、前年度とほぼ同数です。
・団体会員は3団体に止まりました。

【活動日誌】
◇05年 7月 2日 ・第5回総会(大平町中央公民館)
・ 記念講演「今後の研究所活動の発展方向を考える」  講師 中島正博氏(自治体問題研究所)
◇05年 7月22日
       〜24日
・第47回自治体学校in金沢 8名参加
◇05年 7月30日 ・事務局会議(事務所)
◇05年 8月27日 ・事務局会議(事務所)
◇05年 9月23日 ・第2回地方自治と「公共性」を考える関東甲越地域自治体フォーラム(東京)
◇05年 9月27日 ・事務局会議(事務所)
◇05年10月 2日 ・第2回とちぎ地域・自治フォーラム(壬生町)51名参加
◇05年10月22日 ・第1回理事会(宇都宮大学)
◇05年10月29日 ・事務局会議(事務所)
◇05年11月26日 ・事務局会議(事務所)
・埼玉研究所設立30周年記念祝賀会出席
◇05年12月 2日 ・多摩研究所との交流会打合せ(多摩研究所) 2名参加
◇05年12月23日 ・事務局会議(事務局)
◇06年 1月14日     
       〜15日
・第6回全国小さくても輝く自治体フォーラム(福島県矢祭町)20数名参加
◇06年 1月22日 ・第2回理事会・県政研究会
◇06年 1月28日 ・第4期とちぎ自治講座第1回(宇都宮市)「構造改革の現段階と対抗運動の課題」講師 後藤道夫氏(都留文科大学教授)
・事務局会議(事務所)
◇06年 2月25日 ・第4期とちぎ自治講座第2回(宇都宮市)「社会保障『構造改革』と保健・医療・介護」講師 篠崎次男氏(日本高齢者運動連絡会事務局長)
 ・事務局会議(事務所)
◇06年 3月 4日
        〜5日
・自治体問題研究所事務局長連絡会議(東京)
◇06年 3月25日 ・第4期とちぎ自治講座第3回(宇都宮市)「自治体の市場化・民営化と公共性」講師 池上洋通氏(自治体問題研究所主任研究員)
・事務局会議(事務所)
◇06年 4月29日 ・事務局会議(事務所)
◇06年 5月13日
       〜14日
・関東地域・自治体研究所学習交流集会(東京)9名参加
◇06年 5月23日 ・事務局会議(事務所)
◇06年 5月28日 ・第3回理事会(宇都宮市)
◇06年 6月 3日 ・国民保護計画学習会(宇都宮市)35名参加
◇06年 6月24日 ・事務局会議




 

               2006年度事業計画


1 はじめに

 小泉内閣の「構造改革」による三位一体の改革、市町村合併の強行、指定管理者制度 等による自治体行政の市場化・民営化が進められるなかで、県内では「平成の大合併」により49の市町村が33市町へと減少しましたが、1月の福島県矢祭町での「小さくて輝く自治体フォーラム」に県内からも多くの自治体から参加があったように、自立を模索、指向している自治体も数多くあります。
 栃木県では06年3月に新しい市町村合併支援プランを策定して「ポスト平成合併」に踏み出し、また、地方制度調査会等による道州制に向けた動きや、財務省等による地方交付税の大幅な削減、市場化テスト法等による自治体の市場化・民営化、そして公務員総人件費削減の動きなど際限のない自治体再編、構造改革が進められ、憲法改悪の動きも強まっています。
 こうしたもとで、憲法が求める地方自治の原則に基づいて住民が主人公となる地域や自治体の課題に的確に応えられる政策や運動が求められており、調査・研究組織としてのとちぎ地域・自治研究所に期待される役割は一層大きなものがあります。
 06年度は、これまでの成果のうえにたって、地域の研究所「まち研」の設立も視野にいれながら、調査・研究事業、学習・交流事業を着実に推進していきます。

2 事業の基本方向
(1) 全国的な地域・自治の動向を把握しながら、県内の地域・自治に関わる諸問題に住民自治の立場から自主的な調査・研究活動を進めます。
(2) 学習・交流活動をもう一つの活動の柱と位置づけ、県内の地域・自治に関わる学  習・交流とともに、小さくても輝く自治体フォーラム、自治体学校等全国的な事業にも積極的に参加していきます。
(3) 特に、会員の多様な要求や問題意識に応えた事業内容となるよう配慮していきます。
(4)  地域に根ざした研究所づくりを進めるため、地域ごとの「まちの研究所」を展望して、基礎自治体単位、ブロック(郡)単位の研究会の設立を支援していきます。

3 調査・研究事業
(1) 地域、自治に関わる資料やデーターの収集、分析

 地域や自治体に関わる全国及び県内の資料やデーターの収集・分析を行い、ホームページや所報等で提供していきます。

(2) テーマ別研究グループによる調査・研究

  テーマ別研究グループによる調査・研究に取り組みます。

@
   県政研究
A
  
市町村財政分析・市町村合併
B 子育て・教育問題
C 産業振興・まちづくり
D 環境問題
E 社会保障構造改革
F 食と農 
(3) 調査、研究の成果は会員だけでなく、幅広い県民を対象にした報告会の開催や出版物等で普及していきます。
 

4 学習・交流事業
(1) 第5期「とちぎ自治講座」の開催
   
 自治体や会員のニーズに応えたテーマを設定し、できる限り県内の研究者、専門家を講師として取り組みます。

(2) 第3回とちぎ地域・自治フォーラの開催

 住民、研究者、自治体の職員と議員が一同に会し、地域・自治に関わると諸問題を学習し、地域での実践と今後の展望を交流する場として第3回「とちぎ地域・自治フォーラム」を06年11月(25日予定)に開催します。
(3) ミニ講座、ミニ学習会
 会員のニーズに応えたミニ講座やミニ学習会を開催します。
(4)  自治体学校への参加に積極的に取り組みます。
(5)
 
小さくても輝く自治体フォーラムに会員の参加とともに県内自治体関係者の参加を呼びかけます。

5 広報・出版事業、講師派遣事業、調査研究受託事業等
 
(1) 調査・研究の成果やイベントの結果を所報やホームページへの掲載、出版物として普及します。
(2) 要請に応じて地域や団体の学習・研究会への講師派遣を行います。
 
(3)  調査研究を受託できるよう体制の整備を進めます。 

6 地域に根ざした「まちの研究所」づくり
(1)
「平成市町村合併」の中で新たに誕生した新市(佐野、那須塩原、那須烏山、日光、下野等)や県都宇都宮をはじめ都市問題を抱える都市(小山、足利等)等、民主町政の大平町等、自治体単位、ブロック毎々での「まちの研究所づくり」を目指します。その際、各自治体の財政分析活動や各地域固有の自治体政策課題の取り組みのなかで準備を進めることが大切です。
(2)
 研究所としても役員、事務局のなかで体制をとり支援していくことを検討します。
(3)
 引き続き、まちの研究所づくりの先進的な経験を持つ東京多摩研究所等の交流を通じて人材の育成を図っていきます。

7 組織体制の確立
(1) 理事会の確立
  3か月に1回の割合で理事会を開催し、事業の基本的な方向を定めていきます。
(2) 事務局体制の整備
・ 月1回の事務局会議を開催し、安定した事業の推進を図ります。
・ 事務局体制強化のため事務局員の増員に取り組みます。

(3) 会員の拡大

  会員数150名を目標に会員の拡大に取り組みます。
  また、会員のうち全国研究所会員の比率を高めるよう取り組みます。
・ 県内の住民運動団体、まちづくり研究会等各種団体との交流を進め、団体会員の拡大に努めます。
(4) 所報の発行
・ 月1回の発行を堅持するとともに、内容の充実を図るため新たに編集委員会を設けま
す。

(5) ホームページの充実
・ データ―の更新に努め、充実を図ります。
(6) 財政基盤の強化
・ 事務所の安定的な維持を図るため、財政基盤の強化を図ります。

  そのため、会員の拡大とともに事務所維持のためのカンパに取り組みます。
  自治体研究社の出版物の販売による事業収入の拡大を図ります。

 

 


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